2072
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2072

三月えみ

密度の高い素晴らしい中編

2024年8月18日
三月えみ先生は言葉にできない感情を描いたり、描いていないものまで読み取らせたりなさるのが本当に上手い短編の名手だと思っていて、「2055」もさすがの名作短編だと考えていました。しかし「2072」!ちゅ、中編も素晴らしいのですね…。短編では描ききれない作り込まれた設定の中、短編と同じ密度でお話が語られるのがすごい!複雑な感情を乗せたサガミの表情の一つ一つに胸がぎゅっとし、対照的にあまり表情を変えないスルガに涙がこぼれます。もう何が正しいのかわからないけどどうしようもなく恋しい人がいる人の愛の物語でした。
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