何処となく寂しかった亮に月が射しかける光





2024年8月20日
可惜夜と書いて「あたらよ」と読む。明けるのが惜しい夜のこと。夜に出歩くことを意味する夜行(やこう)と重ねて、タイトル「あたらやこう」。
月の夜、主人公亮のもとに使者暁が来た。この世に未練無かった彼は、暁と最後の時間を不夜城の都会で精一杯楽しむ。一見古めかしく華やかな装束の住人と美しい品々などがあるらしいけれど、向こうは不思議な世界、そこでの暁の立場は微妙…。
幻想的で細かいタッチでその世界が描かれてすごいと思った。
タイトルのベースの「可惜夜」も知らなかった言葉だが、堆朱(朱漆を何度も重ねて厚くしそれに模様を彫刻した物)、花氈(美しい模様の織り込まれている毛氈)などもググッてしまった。なるほどあちらの世界の環境が如何なるものかが窺われる。毛氈なら雛祭りの緋毛氈しか知らなかった私は、幻想的で古めかしいようなその世界に当たり前にあるらしいそうした品物に囲まれる亮が想像出来なかった。暁との時間を楽しむ姿は、時間の過ぎるのがいつの間にか惜しくなるのがこの世を惜しむことにも繋がる構図として、儚くも美しい想い出として残すような、とても綺麗な絵を見ているみたいだった。
特別編は幻想無し。主人公の女の子は彼に光を見出していた。
story1:44頁、
story2:42頁、
story3:50頁、
特別編:34頁。
月の夜、主人公亮のもとに使者暁が来た。この世に未練無かった彼は、暁と最後の時間を不夜城の都会で精一杯楽しむ。一見古めかしく華やかな装束の住人と美しい品々などがあるらしいけれど、向こうは不思議な世界、そこでの暁の立場は微妙…。
幻想的で細かいタッチでその世界が描かれてすごいと思った。
タイトルのベースの「可惜夜」も知らなかった言葉だが、堆朱(朱漆を何度も重ねて厚くしそれに模様を彫刻した物)、花氈(美しい模様の織り込まれている毛氈)などもググッてしまった。なるほどあちらの世界の環境が如何なるものかが窺われる。毛氈なら雛祭りの緋毛氈しか知らなかった私は、幻想的で古めかしいようなその世界に当たり前にあるらしいそうした品物に囲まれる亮が想像出来なかった。暁との時間を楽しむ姿は、時間の過ぎるのがいつの間にか惜しくなるのがこの世を惜しむことにも繋がる構図として、儚くも美しい想い出として残すような、とても綺麗な絵を見ているみたいだった。
特別編は幻想無し。主人公の女の子は彼に光を見出していた。
story1:44頁、
story2:42頁、
story3:50頁、
特別編:34頁。

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