暁の鳥は濡れた月に跪く【単行本版】
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暁の鳥は濡れた月に跪く【単行本版】

おもい央

呪われた者たちへ

ネタバレ
2024年8月25日
このレビューはネタバレを含みます▼ わ〜アザムのお兄ちゃんだ〜。ヒョエー。もう絵の巧さとか構図とか褒めてるだけでも十分なんだけどストーリーに今回は喰らいました〜。
これは必然の物語だ…っつーか兄ちゃんの物語を描いてやっと完結する感じ。スピンオフどころじゃない。
『あいつの瞳でわたしは罪人になったのだ』凄く良い。他人の眼差しがなければこの世に罪など生まれない。こんな言葉のインパクトがひとつでもあると良いもの読んだなってなる。
人は赦されたいのか、裁かれたいのか。言葉が厳選されてるおかげで相反する感情や状況が鮮やかに映し出されてる。汚れてると感じる身体すら本当に穢すことの出来る人間なんて一人もいない。でも真に穢すことは出来なくても呪いはどこにでもある。父親から始まった行為の連鎖によって赦すことも赦されることもピッタリと繋がってしまってて…わかってんだよね、手放すことが自分自身を救う事だって。でもそれを容易に受け入れてしまえばこの世界(自分の中)の法は壊れたも同然なの。
でもさ、絢斗が居るんすわ。二人の日本人が面と向かい合うのも激アツ!!それぞれの愛が優劣なくカッチョイイ!!!!
結末も救われました。ここまで描いてくれたら満足だし、この先の彼らに対しても結構楽観視出来ちゃうくらいには気持ちも軽くなりました。ありがとうございました!
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