絶愛/BRONZE 完全版
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絶愛/BRONZE 完全版

尾崎南

BLが崇高でないと認められなかった時代

2024年8月29日
人生で初めて触れたBL作品です。
当時単行本を買っていましたが最後まで読んでおらず、30年?を経て読み放題で読むことができて感慨深いです。
今読んでみると、小中学生だった自分には難しかったなと、改めて思いました。
最近のBLと比べると同性愛が命懸けでギリギリ認められるか認められないかという時代だったことが伺えます。
当時、この物語の最後は二人の死だろうと予測していました。
今この作品を読んでみて、きっと作者の方もすごく悩まれたのではないかと思いました。
正直、完結としてはスッキリしないので、お勧めできるかと言えばそうではありませんので⭐︎-1です。
ラストははっきり描かれていないという意味で読者の想像に委ねられています。
私が想像するラストはやはり、中学生当時の予想通り2人は死を選んだと思います。それが晃司の愛だったと思う。
ただ、2人は愛し合っていたし、最期は2人一緒で、幸せな気持ちの中だったことは間違いない。悲しいハッピーエンド。
だけど、作中には決定的なものが描かれていません。なので、イズミはコウジの愛で苦難を乗り越えて次の生きがいをみつけ、騒がしくも優しい仲間に囲まれて2人で幸せにな日々を過ごした。という可能性も残されていると感じました。
しかし重かった。
読み終わったら楽しく笑える作品がすぐ読めるように準備しておくことをオススメします。
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