センチメンタル キス
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センチメンタル キス

小森みっこ

11巻読んで本気で感想を書きたくなった

ネタバレ
2024年8月30日
このレビューはネタバレを含みます▼ 11巻の表紙を見て心がざわつきました。読み終わったら感想を書かずにはいられなくなりました。

はじめに。日和くんは何も悪くないかと。キラっキラのピュアっピュア過ぎて、こんなに真っ直ぐな高校生男子がいたら周りも黙ってないだろうけど、100%佑菜でいっぱいな少年、本当にすごい、大人でも尊敬。悪いところなんて最初からなかった。

序盤では亜蘭くんはただの当て馬だろうと思ってたし、中盤でも佑菜は心のなかで「日和くんが好き」とか言っちゃってたけど、本能的に?佑菜-亜蘭を推し続けていた。だから11巻の表紙を見て心臓が「バクん」てなった。今までずっとソロだったのに!!!!ここにきて初のツーショット。でもこれ、「良い雰囲気」ではない…のか⁇(表現が難しいけど、共依存的な雰囲気なのかなどなど)。え、読むの怖い怖い。

でも違った。ちゃんと「2年後」だった。日和くんが真っ直ぐでピュア過ぎる分、亜蘭くんの恋愛歴がすごく暗く、ひねくれてるように描かれていたけど、亜蘭くんは14年間苦しみ過ぎた。亜蘭くんは佑菜にとっての自分の立ち位置をあまりにも理解し過ぎていた。気兼ねない友人として、お母さんとの闇を知る親友として、命を救ってもらった身として、年上の兄貴分として、佑菜に抱いてしまった恋心を漏らしていい瞬間なんて、14年間のうち一瞬もなかった。

日和くんが現れて、佑菜が日和くんを好きだと知って、自分の気持を伝えたら佑菜を困らせてしまうなんて百も承知で、そんなことは本当に望んでなくて、それなのに「溢れちゃって」。

友人も少なく母親の顔色ばかり伺って、自分のことより他人の世話を優先して生きてきた佑菜が、日和くんのおかげで初めて本気の恋を知った。恋を教えてくれたのは確かに日和くんだったけど、恋愛として誰かを想う気持ちに気づいた瞬間に、最初からそこのポジションにいたのは亜蘭くんだったというパターンがあってもいいのでは…。というか、佑菜、ここまできて「これは恋愛じゃない」は、読者も亜蘭くんも辛すぎる…。やっぱり初恋の日和くんと再開したら(12巻以降)、佑菜の心は持ってかれちゃうのかな。

おそらく結ばれないとわかってて推してる佑菜-亜蘭だけど、少なくとも2回目のセンチメンタルキスに泣きそうになった。
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