ミステリと言う勿れ
」のレビュー

ミステリと言う勿れ

田村由美

ミステリ好きさんにも、そうでない方にも。

2024年8月31日
豊富な知識とカレーを愛する心を持つ大学生の主人公久能整と、彼によって‘’整えられて‘’いく周囲の物語。
事件だけでなく、人の心に澱のようにたまった後悔や怒り、悲しみが昇華していく様子に感じられるカタルシスはこの作品の最大の魅力の一つだと思います。

同じような大事件はなくても、作中に登場する些細なすれ違いや思い込みはきっと日常的に誰の周りでも起こっています。
警察官でも探偵でもない、大学生の整くんだからできる解決。彼の静かな語り口と鋭い指摘に何度もハッとさせられました。

映像化されていますが、ドラマや映画のみご覧になった方にも是非読んでいただきたい、おすすめの作品です。
いいねしたユーザ3人
レビューをシェアしよう!