ぼくらのへんたい
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ぼくらのへんたい

ふみふみこ

わたしの中のあのこ

2024年9月1日
愛と呪いで知った作者さん。ソチラは読み出したのが特に元気のない時期だったので途中で読むのを止めたままです。ゴメンナサイ。
自分をシスヘテロだとは思ってんだけどマジョリティの人間とは思えないほど息苦しさを感じてるからか、そういうものを描いてる作品に惹かれがちです。多分まだまだ女性らしさや男らしさの価値観に囚われている社会に自分自身が囚われてるからだとは思うけど、作中の彼ら(they)は中学生っていう多感な時期に自分の性と向き合って成長(へんたい)しててずっと大人びて見えます。前半はどうしても無防備すぎて自分を守るためなんだろうなって分かるんだけどなかなか暴力的(な言葉)だなあって私自身も傷つけられる感覚。ブーメランのように返ってくるものもあるし当たり前だけど1人として同じ人が出てこないです。みんな違うんだってことが心細さもあるけどひとりひとりの中にわたしの一部分が隠れているような気持ちにもなりました。
みんな変態だからひとりひとり違うからみんな普通だって思うんだけど、社会は普通と変態を分けたがる。個性を育てる教育はしない。その歪になにがどう違うんだろうね?て作中でもまりかが同級生に向かって、キモイってなんだよ、わたしがお前になにをしたよ、お前がただのゴミなだけだろ、って、あのドス黒さに共鳴したり。
あとがきで作者さんが最初は3人のこと全然好きじゃなかったって言ってんの、驚いたけどなんかイイなあと思ったし自分もそんなに全開で好き!てキャラクターはいないです。さっきも書いたけどみんなそれぞれに共感する部分とどうしてもモヤっとしちゃう部分があって、それが普通でいいなと思えます。
終盤になると割と綺麗にまとめすぎてる気がして、正直そんな綺麗じゃなくても…と下世話な自分は思っちゃいましたが1巻の頃よりずっと幸せそうに笑ってる姿はやっぱり気持ちが良かったです。
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