このレビューはネタバレを含みます▼
黒田がめっちゃ良い奴だから黒田に寄りすぎて読むとモヤモヤしちゃうかもだし、愛を知らないことが人間の欠落だって思い込んでると烏滸がましい立ち位置で読むことになるかも。
神田兄弟とは違うけどアロマンティックの人もいたり、異常に思われる性愛を持つ人達がたくさんいるのに、『普通』の人に合わせた社会に生きなきゃいけない神田兄弟からすると、愛ってなに?と探し続けなければいけないのは可哀想なことだと思う。これは愛を知らないことが可哀想なんじゃなくて、それを可哀想とかおかしいと思われる社会に生きてることがって意味で。
結果的には黒田に出会ったのはひとつのゴールで、黒田がそのままで良いんだよって言ったのが全てだと思うから、ハッピーエンドなんだと思う。黒田を作品の都合のイイ存在にしてる感は否めないけど、黒田からしても神田兄弟のような人達が居るんだと知る事が出来たのは良いことなんじゃないだろうか?そうやって互いに教え合えることはそうして分からないままのものはそうなんだ、て受け止めるだけでも何かが変わると思う。
ただお互いが怪我した時に心配にならなかったりとかは愛がどうのこうのって問題でもないから、どんな事に感情が激しく揺れ動くかは気になった。
とりあえず★の少なさほど悪いとは思えなかった。神田兄弟が愛を知るための物語ではなく、読者が色んな人がいることを知るための物語って言えばカッコ良くキマるかな?!愛とは?の問いにきっと様々な答えがある様に、唯一無二の答えを出せるわけでもないけど、このお話読んで色んなことに思いを巡らせられたのはとても良い時間だったと思うし、そう思えて良かったと思う。