このレビューはネタバレを含みます▼
ただでさえ文乃との関係に亀裂が入っている状態を読者に見せつける。そして、元カノのものと思わしきサブスクのアカウント、番組のディレクターと顔見知りであること、自己肯定感の低さ、これらの要素や伏線を全て回収する勢いで入った地獄の様な過去編。恋文の優しさや誠実さを踏みにじる形で仕事を押し付けてくる上司、努力しても評価されず禄に眠れない日々。そんな状態で出会ったのが、グラビアアイドルの「桐谷」とそのお父さん。父親の為に頑張る娘と、娘には自分の幸せを見つけてほしい父。そんな二人との時間が日々の活力になっていく恋文。しかし、彼女の父が段々と弱っていき死んでしまうかもしれないというところで5巻はおしまい。辛い…、あかりちゃんとか言う口は悪いのに、親孝行で、常識的で、家庭的で優しいとかいうオタクが好きになる要素詰め込んだキャラ出しておいて、これらの回は全て過去編なので、恋文とは現在、交流が無いし、なんなら元カノっぽいので出番があるか分からない。なんだこれ。過去編のめっちゃ面白いのに、現在進行系の話じゃないからほぼ間違いなく恋文のトラウマとして刻まれる辛いことしか起きる気がしない。勿論、今でも文乃ちゃんはヒロインだしすきなんだが、個人的にはあかりちゃんと寄りを戻すエンドの方が良い気がしてきた。世間体も気にする必要ないし。あと、心理描写が良い意味で生々しい。ペットが亡くなったシーンとが特に。めっちゃ面白いけど、辛い。そんな作品です。