偉人転生 五國WARFARE
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偉人転生 五國WARFARE

齋藤純/蔵人幸明

これは謎とか伏線ではない

2024年9月10日
状況が全く把握できない作品。
いや、劇中で起きているイベントとかは理解できる。しかし唐突に作中の文明・産業レベルでは到底作成できなさそうな明らかに場違いの『現代世界と比しても遜色ない外見・性能の各種兵器類』が現地製造されている設定で登場。そしてただの物理博士のはずのアインシュタインが兵器製造知識チート転生キャラとして登場。もうやりたい放題わけわからんです。
別に中世的世界観異能有りの作中に現代兵器をぶっこむこと自体は問題ない。実在の偉人を別人レベルで魔改造して登場させることも、まぁ問題ない。問題は、この各構成要素がお互いに、全く、噛み合っていないこと。なぜ異能以外は現実の中世文明に準拠しているような世界観で近代兵器が製造可能なのか? なぜ元世界と似ても似つかない性格・能力の偉人が転生してきているのか? 一切合切説明なく、この世界がこの状況になっている過程が、前提が、全く把握できない。
もう兵器類の材料とか動力とか火薬の類はいかにして製造してるのかとか、兵站が云々言っている状況で戦車を敵陣地までどのようにして進行させたのかとか、命帝の能力に一貫性ないとか、つっこんだらダメ的な展開目白押しである。要するにご都合主義。描きたいものを深く設定考えず描いている感じである。
とにかく物語が展開する度に『?』『?』『?』で、深く考えたら負けな感じなのに戦記物のせいで国同士の位置関係・戦況とかはしっかり把握することが求められるという、もう、ほんと各種要素が嚙み合っていない。
説明が無く突拍子の無い意味不明を土台としているため、そこに乗っかっているドラマも軸がぐらついている感じ。
展開も遅い。キャラクター造形も全体的に精神年齢が幼稚で短絡的。タイトルが去勢転生並みに間違ってないけど合ってない感がすごい。加えて値段が割高。
総評としては、あらすじ自体は面白そうなのに、上手く纏まっておらず散らかった残念な作品。
あと、少なくとも2巻までは完全なあらすじ詐欺。天才(?)偉人が最高峰の知力(?)を尽くして攻防を繰り返して『ない』。五國大戦は現状二國大戦。
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