このレビューはネタバレを含みます▼
読む前と読んだ後でいい意味で予想をはるかに裏切られました。タイトルと1巻の表紙や冒頭の感じからクズの話なのかなと思ってあまり気が進まなかったのですが、実写ドラマ化されるということで気になっていました。そのドラマを一話見てみたら思いのほかおもしろく、原作が気になってしまって夢中になって3巻一気読みしてしまいました。ドラマより圧倒的原作の方が気持ち持ってかれました。
とにかく胸がギュッとなる作品でした。この気持ちをどう表現するのがいいのか上手い言葉があまり思いつきませんが、もっと早く読めばよかったと思ったし、とにかく読んでほしいなと思いました。何も考えず読むには心に響きすぎるので余裕がある時のがいいとは思いますが。
痛々しくて孤独で不憫、どこか欠けてて、だけど人を恨んだりしない、拠り所を求めてる2人が互いの存在で埋めあっていく姿が、もう胸がギュッとなって、救われてほしいけど、なんかずっと危うさがあって読んでるこっちも不安になる、でもどうか幸せになってほしいなと願いながら読みました。最初は千紘が浩然にすがってる感じだったけど、だんだんと浩然が千紘の温かさに触れて、死んだような目してたのに感情を写すようになっていくのが印象的でした。3巻の最後のシーン、すれ違いにならなくて本当に良かった