狼への嫁入り~異種婚姻譚~
」のレビュー

狼への嫁入り~異種婚姻譚~

犬居葉菜

どうか3巻まで読んでください

2024年9月14日
3巻まで読み進んで、あたらめて作家さんのすばらしさに感嘆し、評価を4から5にあげました。巻を追うごとに素晴らしさが増したと思います。この作品は1巻だけで見切っては惜しい。

いわゆるエロ目当ての娯楽作品としてのBLとしては物足りなさを感じる人もいると思うのですが、もっと深いテーマ、ASD的な狼君の人の心が理解できないことの苦しさや孤独と悩み、それを明るく受け入れいつでも元気よく支えてくれる兎くんという伴侶を経て、徐々に見える世界が変わっていき、自分と社会との関係性に絆を結びなおしていき、世界と和解していく様子が描かれます。これは恋愛よりもっと深いテーマを扱った作品だと思います。

以前1巻で低評価だった方にも、ぜひ全巻読んで再評価いただきたいと思います。

↓以下1巻読了時点での感想です
BL作品として、とても良品なことももちろんなのですが、
絵の表現が大変素晴らしく、大変新しく、作家性のある作画を特に絶賛したいです。
独特のファンタジーの風俗や街の描かれ方も創作性に満ちていて
物語を大変彩豊かに、背景で演出してくれているのですが
それだけでなく、テンポの作り方、間合いの取り方、光の表現など
とても映像作品的に優れているところにとても感嘆しました。
ものすごい作画力のある作家さんだと思います。
一般向け王道ストーリーを扱ったら、とてもメジャーな作品を生み出せる力のある作家さんだと感じました。良い編集さんとレーベルに出会えたら、大化けする可能性があると思います。今後にも注目したいです。
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