このレビューはネタバレを含みます▼
これまで読んできたbl漫画の中で一番好きな作品。
真面目優等生タイプな矢野君と、チャラめ問題児タイプの小田島君、ただただこの対照的なCPが萌えるっていう浅い話じゃない。単に絵が綺麗ってだけじゃない。
二人の「現在」に至るまでの背景とストーリーに、まるで生きた人間の人生を感じる。それくらいに細やかで深い。二人の流す涙が、涙の理由が美しくて、心の隙間から垣間見えた弱さにも見えたし、強さにも見えて、二人の一生懸命な人間らしさにまず惹き込まれた。
小田島君が矢野君に惹かれる過程も、矢野君が小田島君に応える過程も、全ての流れが美しく、矛盾も違和感もなく、二人の感情描写もとても繊細で丁寧に描かれていて、二人の魅力が本当に余すことなく見事に表現されている。
友だちじゃない、の所で何度泣いたことか……。
作者様が、ご自身の描かれるキャラクター、物語をどれほど大切にされているかが伝わってきます。
これから先も何度も読み直すことになると思う、素晴らしい作品です。