政略結婚の夫に「愛さなくて結構です」と宣言したら溺愛が始まりました
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政略結婚の夫に「愛さなくて結構です」と宣言したら溺愛が始まりました

湯瀬ライム/杓子ねこ/NiKrome

王道の虐げられ令嬢物

ネタバレ
2024年9月24日
このレビューはネタバレを含みます▼ 話はどこにでもある月並みの展開です。小説は、なろうに上がっている部分は、拝読済です。漫画の作画は、原作の雰囲気に合っていて、違和感はさほど感じられません。

まず、ヒーローがよくある勘違いから突っ走るバカ令息系ですが、途中で気付きヒロインを確かに溺愛し始めます。その後、妹にはざまぁ展開があり、ヒーローが庇ってくれます。普通なら、トゥンクポイントだと思いますが、何だかずっとモヤモヤの中にいる感じがして、最終回まで読んでも晴れませんでした。

それもこれも、ヒロインのスーパーポジティブシンキングの影響かと思います。ヒーローやその家族、果ては使用人にまで結構な嫌がらせを受けたのに、そこに対する大きな仕返しがないため、登場人物がヒロインの寛容さに甘えるだけの作品になってしまっているのです。

王道だと別ヒーローが出てくるか、ヒーローが心底反省するかに大きく分かれますが、この作品は後者に近いパターンで、とりあえず謝罪はしています。

ただ、自分を好きになってもらうために、とにかく接点を増やし貢物をし愛を伝えていくという、貴族の坊ちゃんにありがちな利己的態度が、全面に出てきます。それがまた一段と、モヤを濃くしていきました。

個人的には、ヒロインのポジティブシンキングが強すぎて、周りの登場人物たちの性悪さが引き立てられ、結果的に読み疲れてしまいました。
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