このレビューはネタバレを含みます▼
ものすごい勢いで駆け抜けて行く物語。展開早いので、その分ストレスは感じないかも。何がビックリって、ラネがフラレる原因となった「婚約者が明日、結婚する」というのが、ツインテールの悪役聖女。え?!エイダー、その女でいいの?っていう。それだけでも読者としてはザマァですが。出会いがあって、むしろラネは勇者と結婚する事に。逆マウント〜!しかも心根や行いが悪いからと、聖女は聖力を失い、アッサリ死ぬ。闘いに敗れて無様に死ぬ。ザマァどころの騒ぎでは無い。聖女に懸想していた、とされる元婚約者エイダーも死ぬんかな、と思わせて重傷で済み、深く反省をしてる風だが、この2人からの謝罪は結局無いし、本物の悔恨も見られないのが残念なところ。悪役聖女の死と自らの危機によって聖女の力が覚醒したラネは勇者アレクと共に魔物を倒す。後半は何故かバトルものと化す。浄化魔法、光魔法、自白魔法、と前聖女よりチートなラネは駆け足で王国に安寧をもたらす。勇者の妹リィネは優しいけどあまり役に立ってなかったよね、な王太子に嫁いだ事もあり、とうとう王族の一員にまで上り詰めたラネ。冒頭の、婚約者に捨てられたとラネを馬鹿にしていた人達にも天誅を喰らって欲しかったけど、優しいラネはもちろんそんな事は忘れて、勇者アレクの出身地で穏やかに暮らすという結末でした。駆け足過ぎたけど、王太子とリィネの恋、とか。エイダーの独りよがりの苦悩とか、聖女に奉られたアキの事とか。一応それも駆け足で説明。アレクの身体の硬さから来るバトルシーンもそれはそれで面白い。こういう要素要素をダラダラ描くものが多い中で、2巻に全部盛り込んでしまうというのに驚かされました。