このレビューはネタバレを含みます▼
最終巻まで。
一言でいうと「詰め込みすぎ!」です。絵もキレイでヒロインは可愛く、前世は美人さんの書き分けも大満足です。憎たらしいキャラは美形だけど表情で憎たらしく、作画の先生の技量がすごい。私の好みなだけかもしれないけど笑。確固たる作画力、にエンディングは完全ハッピーエンド!で星3にするには過小評価だけど、星4つけるには物語的引っ掛かりが大きすぎる…。
本当にストーリーが詰め込みすぎで、足し算、足し算、足し算。です。
ベースが転生令嬢テンプレで、そこへ前々世、転生者複数、舞台の隣国移動、取り違え皇女、巫女姫…要素が多い!!転生者複数による「ゲームのあらすじ」破壊があっちでもこっちでも起きているのはさすがにちょっとうんざりします。作中でエレーナが「ここは現実」と思い知る下りがめちゃくちゃ皮肉になりませんか?あちこちで「物語」が起き、それを予習している「異物」である転生者たちがぶち壊さないといけない「決まった筋道」が確かにそこに存在していることに。確かにここは「ゲーム」の中の世界で、異物を異物足らしめる「俯瞰する別世界」が存在している。異物を起点にしないと変化はない「運命」が敷かれた世界。なんだかなぁ。
あとは主に詰め込みすぎ!と感じるのはすべての要素が主題に果たして必要か?だと思うんですよね。物語の最初は「婚約者と出会い」、最後は「婚約者と結ばれる」。なのに5巻あるうちの二人が心を通わせてるな~!恋育ててるな~!ってシーンはたぶん1巻にも満たないのでは…?
現在のストーリーラインに前世のエピソードは婚約者との恋にどうしても必要か?前々世のエピソードは?転生者が複数いる必要は?隣国に行かなければいけない必要は?取り換えられた皇女である必要は?実は巫女姫の生まれ変わりだった!必要は?
何様だ?と思われるかもですが、読んでくれたら解ると思います。婚約者の活躍も絡めながら進めることはできなかったんでしょうか。
これは婚約者と出会い、実はあの時の初恋の女の子だったんだよ。でラストが結ばれる話なんだから。
実際は婚約者存在感薄くて恋の成就のカタルシスがね…カタルシスになってなくて…。波乱万丈な詰め込まれた要素の中でも婚約者のこと深く深く好きになっていって、最後に全部わかって恋が成就!…ならよかったんですけどねー。そこがすごく残念です。