兎の森
」のレビュー

兎の森

苑生

なかなか重いが、淡々と…丁寧に

2024年9月28日
志井君、良いですね…キャラクターとても好きです。思春期の男の子の生々しさ、環への、押し付けるだけではない一途な思いや、自分の生き方を自分なりに模索する、前向きな在り方、ぐっと「自分」が顕れてくる感じがリアルで良かった。若さの良いところ、再認識です!自分が思うように攻めちゃってね!失敗しても君ならやり直して大丈夫!と応援したくなる感じ^^。
環は、周囲に適応する受け身なタイプだから、「自分」にあまり気付かないまま居て、表向きそれで平穏にやれてもいる。志井が入り込んでくることで、「自分」が引きずり出されてくるので戸惑って抵抗するが、結局サレンダーしていきそう…。この感じ、かなりぐっと来ます。…引きずり出して欲しい相手って、居るよね…!生い立ちも含めて受け止める志井君…私だったらちょっと環を受け止める自信なくて躊躇しそうで、あるがままを受け止めようとしてる志井は男前やなあ…と思っちゃいました。関わり合うことで、深いところから変化が起こって、互いに変容が起こり、次のステージへ行く、そんな関係が描かれている作品が好きですが、こちらも表現や心理描写が秀逸で引き込まれます。絵も綺麗なだけでなくリアルで、好きです。二人がどんな着地点、そしてスタート地点に立つのか、見届けたいです!
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