眠りの姫は寡黙な聖騎士の殉愛で目を覚ます【合本版】
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眠りの姫は寡黙な聖騎士の殉愛で目を覚ます【合本版】

ひなのさくらこ/木ノ下きの

障害だらけの格差愛。

ネタバレ
2024年10月19日
このレビューはネタバレを含みます▼ 308ページ挿し絵なし。大神官の信託により産まれた時から寝たきりの王女ヒロインは、またしても信託によりある条件の流民の子だけが王女を生き長らえさせることが出来ると告げられ、王城へ連れられた少年は鬱屈しながらも彼女に寄り添ってきた。18年後、突然目覚めたヒロインの環境は目まぐるしく変わり…という話。あー切ない。絶対に結ばれてはいけない禁断愛でした。目覚めたばかりのヒロインは無垢故に無自覚な残酷で、周りを振り回します。その彼女も徐々に自我が芽生え成長していった先にあるものが切ない。なにも彼女が悪いわけないのに…。そんなヒロインを取り巻く二人の男の焦燥や葛藤もとても丁寧に描かれていて焦れったくてたまりませんでした。結局登場人物みんな、誰かを貶めたりしたい訳じゃなく、己の正義を信じて行動してるだけで本当の意味での悪役はいなかった気がしますね。まぁでも父王とローランにはヒーローに一言謝って欲しかったなという気がしなくもないですけど(苦笑)。そんなこんなで(物理的に)すれ違うのが主軸のお話なので、本当の意味で結ばれるのは最後の最後です。欲を言えばこの渾身の一回はもっと丁寧に濃厚にじっくり描いて欲しかったですね。レーベル忘れちゃうくらい清々しい純愛物語を読ませて頂きました。あ、忘れてた!大神官の死に際の信託『二人の子が国王』云々はどうなったのか気になります。スピンオフとか続編があっても良いですよね。ひょっとして王位簒奪?うわぁー読みたい!
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