親愛なるジーンへ 2(特装版)
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親愛なるジーンへ 2(特装版)

吾妻香夜

圧倒的に優しく美しい愛の話

ネタバレ
2024年10月22日
このレビューはネタバレを含みます▼ アーミッシュの呪いのような風習に囚われ(これはジーンが自分で自分を縛っていた嘘なのかな?)どうしても自分を赦せないジーンが自分を赦すためには15年の月日が必要だった。
そしてやっぱり赦すきっかけは大切な人が与えてくれるところにとてつもなく心惹かれてしまいます。そんな圧倒的に優しい世界を丁寧に描かれていてとても心地がいい。
1巻でジーンに赦されて自分を赦すことができたトレヴァーが2巻の最後ふたりが再開した時に、ジーンにおかえりをつげることでまたジーンも自分を赦すことができるシーンには、人の経年変化って愛って素晴らしいなと心から感じさせてくれる。
甥のジーンの行動がなければ2人はまた交わることはなかっただろうし、2人を再開させる役割さえも持って生まれた人物だったんだろうな。(姪のジーンもですかね?!)なんて優しくてロマンチックな話なんだろう。
別れる前、ふたりとも本当に伝えたいことを言葉にして伝えられない確かめないまま、15年連絡を取り合わない関係なのもとてもリアルだなと感じました。
思慮深く、優しく、人の心の機微に敏感な2人だからこそ、こうなるんだろうと想像させられます。
言葉にするだけでは伝わない気持ちを、表情や仕草、空気感から掬い上げられるようにしっかり描いて下さっているので読者が置いてけぼりにならずにずっと没入していられます!すごい!
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