なつめさんは開花(ほころ)びたい
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なつめさんは開花(ほころ)びたい

マミタ

胡桃が意外と常識人で良かった

ネタバレ
2024年10月27日
このレビューはネタバレを含みます▼ 『なつめさんは開発(ひら)かれたい』の続編。あらすじになつめの幼馴染み・胡桃が帰国とあり、続編にありがちな当て馬の登場か!? と一瞬身構えてしまった。


前作で恋人同士となった鴻となつめは順調に付き合いを続け、鴻はデリ ヘルを辞めて新規事業のフロアを任されることになる。必然的になつめと過ごせる時間は減り、そんなときになつめの幼馴染みで唯一の友人である胡桃が海外赴任から帰国し、なつめの家に頻繁に来るようになる。

胡桃はなつめの保護者を自称するほどの強火ななつめ担で、元カレとのあれこれや鴻の前職に噴火しそうな感じが面白い。でも、胡桃のなつめへの思いは完全に友情で、よくある当て馬展開にしていないのが凄く良かった。

しかも、なつめが無自覚に鴻を傷付けて不安にさせていることにも気付き、なつめ家への訪問を自粛する冷静さも持ち合わせている。なつめ愛が強すぎて少しウザいけれど、嫌な感じは全然なかった。


鴻は家事代行ができるほど器用でデリ ヘルでは元No.1、今は新規事業を任される完璧な男性だとなつめは思っていて、自分に自信がないなつめが斜め上の発想でまたアジェンダを作るところは切なくも面白く、完璧に見えた鴻にもダメなところや弱いところがあり、実は似た者同士だったというのもいい流れだった。

欲を言えば、なつめと胡桃の約束が果たされる姿も見たかった。
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