年月を経ると感想が変わる

ネタバレ

2024年10月31日

このレビューはネタバレを含みます▼ 発売当初に読んだ時は、カッコ良くてドキドキしていた男性と付き合える機会があったら、家庭があっても引きずられる可能性はあるかもと主人公の弓子目線で読んでいました。最後の責任の取り方は賛否あっても、そういう結末も納得できました。
年月が経ち自分の年齢が上がると以前より夫に感情移入している自分に気づきます。
夫は明るく優しく弓子の一番の理解者です。看護師で多忙な弓子と家事育児も分担してきちんと女性扱いもしてくれます。何も落ち度が無い夫は知らぬ間に弓子に避けられ、弓子は夫に触れられる事に義務感や嫌悪感を持つようになります。
明るい夫が、弓子の不倫を疑い不安定になっていくのはとても残酷です。
弓子は夫の疑惑を払拭して一生家族に尽くして償おうと決意します。そのまま家庭は継続して結婚１０年を迎えるラストです。
弓子は家庭の継続は自分次第だと思っていますが本当にそうでしょうか。
疑惑を払拭したとはいえ、もし夫が妻が以前と違うと無意識に感じて満たされずに他の女性に目を向けても、弓子にはそれを責める権利は無いでしょう。時限爆弾のように、弓子の記憶が薄れた頃になって大きなしっぺ返しをくらうかも知れません。

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うにころさん

(女性/50代) 総レビュー数：1件

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