子宮恋愛
」のレビュー

子宮恋愛

佐々江典子

愛とは不確かなもの。

ネタバレ
2024年11月3日
このレビューはネタバレを含みます▼ 完結を待って読む、と決めていたので。楽しみにしていた、というか途中だときっとイライラが募るだろうと。そして完結したのにも関わらずスッキリとはしない。うーん。分かるよ、根っからの自由人に見えた色気ダダ漏れの山手さんと不遇の働く主婦まき。自己中で冷たい夫・苫田は、サイコパスかと思いきや完結編ではギャグ化していた。まきはこんな男の事で悩み過ぎ。そして山手さんは意外と自由人では無く。愛に臆病なまきにピッタリの男だった。破れ鍋に綴じ蓋並みにそこには侘しさが募る。不倫だと謗られ、それでも職場に居続けられる図太さ。これから生まれる元夫の子と山手さんと新しい家族で居る事を選んだ結末。この幸せは続くんだろうとぼんやりと匂わせて物語は終わる。そうなのだ、本人達さえ良ければそれもまた良し。けれど、愛とは曖昧で不確かなものだとずっと訴えて来た様なこの物語においてはただ、その終わりはなんだか薄ら寒いのだ。
いいねしたユーザ7人
レビューをシェアしよう!