兄さんの友達
」のレビュー

兄さんの友達

成瀬かの/三池ろむこ

最後のスピンオフで星追加!

ネタバレ
2024年11月8日
このレビューはネタバレを含みます▼ 以前に漫画版を読んだ時に今ひとつ主役2人の心情が分からなかったので、小説でその隙間を埋める読みができるかと思って購入しました。でもこれは漫画原作が先で、小説の形にした方が後だったのですね、そのせいか新たに補えるものはあまり無かったです。そこは残念ですが、でも!本編以外の(漫画には無い)3つのお話に、本編を補う良さがありました。
中でも最後の「五人目の不在」! そうですよね、バスケは5人チームなのをどうして忘れていたんだろう。兄さんと3人の友達以外の、もう1人のチームメイトの視点で語られる、高1時代の一話。いずれキャプテンになりそうな器の彼には、あえて名前を与えられていない(上手い!)。これで兄さん達4人の結びつきがよく分かり、ああ、確かにこの一連の小説は、のぞむではなくて「兄さんの友達」のお話なんだと実感しました。大熊さんが包容力ゆえに好みとは逆の男に好かれるのは、すでに高校時代からだったという事も、この5人目絡みでサラッと描かれていますが、なんと彼らしき人物は、本編の前半に出ていたのです!
兄さんの口から『あそこにいるの、俺たちの代のキャプテンだ』『双子連れた美人が奥さんだとさ』『俺たち以外はみんなまともな人生送ってる』と語られているのが、まさかここまで来て回収されるとは…! これで星5です。
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