チ。―地球の運動について―
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チ。―地球の運動について―

魚豊

何かを信じ続け、疑い続けること。

2024年11月10日
とっても面白かったです。
私はこの作品に出会うまで、科学と宗教は相反するものであり、同時に信じることは不可能だと思っていました。
現在のキリスト教スクールではこの世は神によって創造された世界であるとして、科学を深く学ばないところもあると聞いていましたし、義務で学ばせなくてはならなかったとしても、どちらも信じている人はいないのだと思っていました。みな、どちらかから目を背けているのだと。
でも、違うのかもしれません。何かを信じながらも疑うように、理性と信仰があるように、二つは敵対するものじゃないのかも。
人々がそれに気がつくようになるまで、多くの葛藤があったのでしょう。
主人公たちが変わりながら、繋ぎ、流転していく。物語の構成にうっとりしました。
歴史上の誰かが、命と信念をかけて手に入れたものに、私も思いを馳せ、大切にしながら、知を探求していきたいと思いました。
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