キリング・ストーキング
」のレビュー

キリング・ストーキング

クギ

良質なサイコ

ネタバレ
2024年11月13日
このレビューはネタバレを含みます▼ いまではサイコパスという言葉もかなり一般的に浸透したおかげか、闇深いキャラやテーマの作品は多くありますが、個人的にかなりの傑作となりました。(サイコパスよりメンヘラの極みかも)
余ったポイントで無料分も購入してしまった。

ヤバいもの同士で出会いながらも、完全には共鳴できずにいる依存関係一生続けてくださいと願いながら読み進め、ラストまで展開の読めない面白さに飲み込まれました。BLだけどラブだけに頼らないストーリー、いいもの読めて幸せです。
火事以降サンウはほぼ回想でしか登場しませんがウジンの思考を占拠し続け、増していく存在感がたまらない。サンウのなかのひと匙にも満たない良心がウジンに向けられる切なさときたら。
そもそもウジンはかなり独りよがりな愛情しか持てないのが全体通して言えるわけですけど、ラストの後追いは最高潮のそれです。写真の行方や老婆の言葉など断片にしか読み取れない(もしくは妄想に過ぎない)サンウから与えられたものが理解も信用もできず、女といる背中を追いかけて飛び出していく。
読み返してみると今までもサンウなりのアプローチは何度もしてるのに悉くウジンは外してるんですよね…。
たまんねぇーーー。地獄で落ち合ってくれ!

何年か前に広告打ち出されてたから有名なのかと思ってたので、レビューの少なさにちょっと驚きました。好き嫌いが分かれる絵柄なのかな?今後、作者買いするだろうってくらいには好きです。
最後まで微糖がお好きな方はぜひ読んでほしい。
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