『行方不明。』【単行本版】
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『行方不明。』【単行本版】

kanipan

良質な映画を観たような作品

ネタバレ
2024年11月17日
このレビューはネタバレを含みます▼ ずっとずっと読みたくて、でも先を知るのが怖くて…今回セールになっていたので購入しました!!
満点評価を滅多に点けない私が試し読みで満点確定だと思った作品です。
常に漂う重い雲に覆われたような空気の中で運命の相手とも言える二人の逃亡記。ただ体を重ね愛し合うだけなのに切なくて悲しくて愛しくて…楓の柔らかな筋肉のついた細い体が亮によって溶かされていく様が何とも言えず色っぽいんです。
擬音を少なめにしている所も更に良い。
亮が暴走したチキンレースの後も楓は無事に自首出来るか心配でしたが、楓の言うことは素直に聞く亮だったので安心しました。
楓が罪を償う間に勉強して大学、社会人と真面目に生きて楓を守る経済力を身に付けて迎えたんじゃないか?とか、想像しました。
また、楓もDVで苦しんでたけど優しい祖母がいて夏服を差し入れてくれる友達が存在した、多少なりとも亮よりは幸せな記憶があったことも楓が亮と共に破滅せず、幸せになる為に逃げない決断を亮にさせた要因だったのかな~と思いました。
それに比べると亮は精神的暴力をずっと受けていて、救いとなる人は楓たった一人だけだったのに楓の親にした罪を償える機会も無く孤独に耐えるしかなかったから、楓を8年も探し出所まで何年も待つことが出来たのだろうと思いました。
晴れた明るい空気の中で新しく一歩踏み出した二人のラストも良かった!!
エンドロールも余韻に浸って最後の方に映画館を出たくなるような作品でした。
追記
バニーの番外編は半端で終了したのは残念…(T-T)
えちえちたっぷり回でした(〃ω〃)
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