ノっぴきならぬ
」のレビュー

ノっぴきならぬ

こふで

寅次の健気さにひたすら涙。

ネタバレ
2024年11月26日
このレビューはネタバレを含みます▼ 絵がとにかく美しいです。色気とはこういうことか、と。内容については、1巻→2人の再会のお話。主に攻めの寅次目線で物語が進むのですが、強面の見かけによらず寅次がとても一途で健気な男だということが分かって、本当に八重辰が好きで探し続けたんだなぁと感じました。八重辰に奥さんがいた過去も子供のことも邪険にするわけでもなく、勿論その事実に苦しい気持ちはあれど受け止めて、誰を責めるでもなく何度も身を引こうと、けじめをつけようともがく姿に泣きました。忠太の存在が寅次にとっても応援している読者にとってもとても心強かったです。最後の最後まで泣かされて、こんなに真摯で健気な攻めにはそうそう出会えないと思いました。2巻→所謂当て馬?のような存在が登場。2人の気持ちが揺らぐというより、引っかき回す当て馬の存在が発端となって1巻では描かれなかった寅次の7年も描かれ、とりあえずで横に置いていた問題が1つ、2つ解決したような感じです。寅次の7年は胸が締め付けられるような回想で、その過去を知った上での最後の2人にまた泣かされました。少し不穏な予告でしたが3巻も決まっているようなので2巻分を読み返しつつ気長に待ちたいと思います。奥さんとの過去や子供も登場しますが、忘れられない本命だけを一途に求め続けるようなカップルが好きな方にも安心しておすすめできる作品です。
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