My Dear Fluffy Boy【単行本版(シーモア限定描き下ろし付)】
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My Dear Fluffy Boy【単行本版(シーモア限定描き下ろし付)】

ニャンニャ

少し自己中なくらいがちょうどいい

2024年12月3日
『スイートハート・トリガー』シリーズでコールにキープ状態にされていたブラッドが主役となったスピンオフは相手役が思いもよらないタイプで大いに驚いた。


優しく穏やかで聖職者が似合いそうなブラッドは思った以上にコールとの別れに傷付き、落ち込み、病んでいて、『スイート……』のころの面影はない。知人からの「自己中な恋愛をしてみなよ」の言葉に従い、偶然出会ったノアを自宅に連れ帰ったのもブラッドらしい優しさではなく、ある意味打算。でも、家出中で不憫っぽいノアが一癖も二癖もある御しがたい人物なのが面白い。

ノアだけでもかなり濃い人物像なのに、ここにケイレブというゲスクスが絡んでくるからさらにややこしい。ケイレブのノアへの執着は恋愛、性欲、支配欲、嗜虐心、そして嫌悪が入り雑じった本当に面倒くさい執着で、ノアに対する自分の感情を素直に受け入れていれば、あんなモンスターにはならなかっただろうな。

それでも、ノアやブラッドにしたことは許されないことだし、二人以外にも被害者がいるような男だから、救済的なスピンオフは見たくない。作者さんはスピンオフのスピンオフを書いてみたいと言われていたけれど、個人的には全く興味が湧かないし、ケイレブのその後なんて知ったこっちゃない。
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