このレビューはネタバレを含みます▼
BLを読み始めた時はキュンとしたDKものやスパダリものに食傷して来た頃、この優しいお話に激しく心を動かされました。自分に似たところのあるカケルには感情移入してしまって、幼い頃の自分に「かけるくん それは45歳になっても叶いません ごめんね」と語りかけるモノローグに胸が締め付けられました…。井田さんの人物造形もよくできていて、自分に自信のあった他人に無関心な男が、コロナ禍で職を失い、自信を喪失したが故に自分を曝け出せない心の葛藤が、この年齢だからこそのリアリティがあってすごく良かったです。カケルの言う通り、相手の弱さも受け止められるこの歳で出会ったからこそ惹かれあった2人の恋が、ぴったりの絵で丁寧に繊細に描かれていて、こんな作品はちょっとなかなかないのではないでしょうか。全力でオススメします！
レビューをシェアしよう！
ERR_MNG