初恋はほろ苦くて

千歳は誰からも祝われることなく誕生日が終わろうとしていることに気づき、高校時代の友人、高鷹のことを思い出した。彼は高2年の時に転校してきて、千歳がキャプテンをしていた野球部に入ってきた。彼とはバッテリーも組んでいたし、親友というより更に親密な関係、周囲には気づかれないようにしていたが「恋人」として付き合ってもいたのだ。高鷹の進路が東京の大学だと知って、自分も東京の大学に行くことにした千歳だったが、それを喜ぼうとしない彼の態度に千歳はきれてしまい、それが切っ掛けとなり二人の関係は疎遠になってしまう。高鷹は大学に合格し、落ちた千歳は一浪して東京に出てきた。高鷹の誕生日を二人で祝った時に彼が言った言葉を思い出し、2年ぶりにメッセージを送ると、すぐに応答があって……。