このレビューはネタバレを含みます▼
さらりとした軽めのタイトルや絵とは裏腹に、内容は濃いです。ヒーローの父親がヒロインの母親と不倫してしまい、精神を病んだヒーローの母親が、兄(息子)を連れ出して無理〇中をしてしまいます。
ヒーローは脚を失った兄から呪詛のように、その時の出来事を聞かされてしまいます。
トラウマがあり、「誰も好きにならない」と自分を縛るヒーロー。
一方で、ヒロインも抱えているものがあり、母親のようになりたくない気持ちから、人を好きになってしまいそうになると、距離を取っていました。
たまたま同じ業界で、2人は出会うのですが、ヒーローは1番最初からヒロインを憎んでいます。憎まなければいけない、というような強い気持ちです。
私はヒロインのひたすら前向きに仕事に励む姿や、実力もあり、努力家なところがとても好感が持てました。自立していて、見ていて憧れてしまいました。
現在、9巻まで買いましたが、1番印象的なシーンは、ヒロインを傷つけたヒーローが、飲食店でヒロインから平手打ちされ、外に出て帰るシーンで、
家族の受けた傷はこんなものでは無かったと思いながら、自分の復讐が上手くいったにも関わらず、お店のガラスに写る自分の目からは涙が流れています。
本当は傷つけたくなくて、本当はヒロインが好きになっていて、でも家族のこともあり一緒には居られないし、憎むしかない。
全ての苦しみを凝縮した場面だったと思います。
この苦しみをアンロックすることができるのかどうか、ハラハラしながら次巻を楽しみにしています。
リアリティある都会での生活で、違和感なく話の世界に入ることができました。
少し物足りない気持ちがあり、言語化できないので、9巻までで☆4つとさせていただきますね!