このレビューはネタバレを含みます▼
篠原先生の作品が大好きで、作者買いです。最初の頃は、100巻ぐらいになるんじゃないの?と思う程、テンポがゆっくりでしたが、ヒュッレム、イブラヒム、スレイマン、ハディージェなど、登場人物の心理描写が丁寧に描かれている素晴らしい作品だと思います。
史実を知っていたので、ヒュッレムとイブラヒムが結ばれなかった時にはショックを受けましたが、最終巻でヒュッレムとイブラヒムが対峙したときイブラヒムがヒュッレムに「あの夜の事を後悔していない」と言っていた事、スレイマンに看取られながらヒュッレムが最期に『陛下には本当に感謝しています。けれど、心を焦がしたのは、ただあの一度だけ』という心理描写で、ヒュッレムとイブラヒムがお互いを殺そうとまで画策しても、結局は最期まで愛し合っていたという事に涙がこぼれる思いでした。