きみの春花
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きみの春花

有馬嵐

優しい世界。報連相できる優しいBL!

2024年12月22日
ドラマチックって何だろう、とこの作品を見て思いました。今まで読んできた作品は、ストーリーを作り上げるのに、山場を作って落として上げて…という『演出』をして、感動する話を作るのにはそれが必要なんだろうなと思って読んでました。でも、この作品は大きな山場演出がありません。よくある、『すれ違って誤解して傷つけ合って泣いて怒って告白しあってああよかったね!!』みたいな展開はありません。彼らはすれ違いそうになったら引き留めて、自らの行いを省みてちゃんと話し合って、解決できる二人です。「どうしてそこでそんなことしちゃうかなあ!」というストレスがまるでない、ノンストレスすれ違い無しBL。これ、実は凄く大変なんだと思います。起伏がないのに画面に魅せられて、先輩のキレイな笑顔には見惚れるしスミレ君の赤面には可愛いなあってこっちもニコニコしてしまう。二人の行く先が気になって読んでしまうんです。これはやっぱり凄いことだと思います。エロ特化なBLマンガは大好きな読者なんですけど、こちらのご本は、あれば嬉しいけどなくても読みたいからいっか!という吸引力のある本でした。また続きが出たら、買います。
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