世界の果ては深愛
」のレビュー

世界の果ては深愛

中野まや花

どうか幸せに

ネタバレ
2025年1月1日
このレビューはネタバレを含みます▼ とにかく絵が美しいです。特に雨音の色気がやばい笑 彼は頭も良くてなんでもできる子なんだけど、小さい頃からの儚げな感じを纏いつつ一生懸命姉の冬花を守るために生きているのが健気でこちらが守ってあげたくなります。冬花も可愛くてとても優しい子。大事な弟だと思っているからこそ『大事な弟に恋をしてしまった』という背徳感が彼女をとどまらせる。お互いが大事なのに姉弟という関係が邪魔をする。本当に読んでいて切ない。けれどこの二人の出逢いは皮肉なことに互いの親たちの再婚があったからで。娘に自分の都合を押し付ける冬花の父と自分が遊んで暮らしたいために息子を利用する雨音の母。親だからといって子どもの人生を好き勝手にする権利などないのに子どもたちに理不尽を押し付ける毒親。酷い境遇の中で冬花と雨音の間に生まれたその絆はそう簡単に切れるものではないし、二人の幸せを願わずにはいられません。どうか親やしがらみに負けずお互いを犠牲にするのではなく素直に気持ちを受け止めて二人一緒にいられる幸せを掴んでほしいです。(血の繋がりがないのは幸せになれる伏線だと思いたいです)
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