硝子の花束
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硝子の花束

杉原理生/佐倉ハイジ

攻と受の兄に怒りを覚えました

ネタバレ
2025年1月1日
このレビューはネタバレを含みます▼ 攻(脩一)×受:(瑛)。
受の兄:(雅紀)と攻は短期間恋人でしたが別れて間もなく雅紀が事故死します。その後攻は精神不安定になり受が慰めるものの、行為の時に攻が無意識に「雅紀」と言ったことで、受は攻が自分を受け入れたのではなく兄の代わりにされたのだと気づき…。

元々攻と受が仲良くなり、離婚で母と暮らしていた雅紀は1年後に2人と合流します。攻が弟に特別な気持ちを持っていると思った兄は攻を牽制。攻と雅紀は受より6歳上で、攻は祖母と暮らしていました。祖母が亡くなった時に兄に抱きつき泣いていたのを見た受は、攻が自分より兄を頼ったのにひっそり嗚咽を漏らします。攻が雅紀に恋情を持ち始めたのはこれがきっかけっぽいですが、全編を通して受が一番大人かつ可哀想に思いました。兄と攻は受を可愛い、大事に思っていると言いながら遠ざけ、共に受の気持ちに気づいていながら恋人になったように書かれています。攻も6歳下の中学生だった受の前では泣けず友人の雅紀への気持ちが大きくなっていったかもしれませんが、兄も攻も自分勝手すぎると怒りが湧きました。
大学生になった受はバイト先で兄のことを好きだった本宮と知り合いますが、こっちか、もしくは兄と攻の共通の友人の円城寺と付き合った方が幸せになれたかも。
全編通して受ばかりが必死に攻を追いかけ、我慢して切なさや寂しさを抱えているように書かれてあって不条理を感じました。攻には盛大なザマアがあって当然だったのにそれも無し。なので受がモテまくり、攻ばかりが妬心で苦しむような続編が出ないかなと思います。それでも10年以上攻を慕った受が兄と攻からされた仕打ちには足りないと思いますが。
…とまあ、恋人になるまでがあまりにひどすぎて、ハピエンなのにそれが霞み経緯への怒りの方が上回った作品でした。
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