無常の濁流が押し寄せる、令和の東京物語！

待ってました！『月刊！スピリッツ』で毎回心を揺さぶった物語がついに単行本になりました。独特の魅力と躍動感のある絵が読者を物語の世界に引き込み、怒涛の展開でいっきに押し流します。
本作について、山岸凉子さんが「上手すぎない絵に作者の伝えたい想いが視えました」とコメントされていて、思わず膝をうってしまいました。私なりに解釈すると、このユニークな筆さばき（タッチ）が存分に想いを伝える力を発揮させ、作品の力強さの核心たるのでしょう。
漫画は、映画やドラマなどの映像コンテンツと異なり、読むという行為により、ストーリーを読者の脳内で再生させるのだと思います。そして、この独特のタッチこそが、読者の想像力を鮮やかに燃え上がらせる原動力になるのではないでしょうか。
ぜひ感受性のリミッターを外して、超重量級の読書体験を味わって欲しいです！