ふったらどしゃぶり~When it rains, it pours~ 完全版
一穂ミチ/竹美家らら
このレビューはネタバレを含みます▼
ものすごく見応えのある作品です。元々タワーマンションに住んでいた整が最後は帰り道や生活感欲しさに昭和に造られた築数十年のアパートに引っ越したのも、和章との静かな2人きりの生活じゃなくて、萩原との少し賑やかで1日1日が充実感に満ちている生活を求めているような気がして、整の心情を住居で表しているのが凄く好きだなぁと思いました。最初はただの同僚という繋がりだけだった2人が、メールの誤送信でどんどん関係を深めていくという、この文面だけで見たら新鮮味があまりないように感じますが、それを一穂ミチ先生の繊細な情景描写や2人の発言で唯一無二のものなっていて、無我夢中で読み進めてしまいました。
本当に出会えてよかった作品です。
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