ゆらゆら揺れる
」のレビュー

ゆらゆら揺れる

奥田枠

考察のしがいがあって面白い

ネタバレ
2025年1月11日
このレビューはネタバレを含みます▼ 天地がレ〇プされた後に蔑むように見た鬼堂の描写があるが、陰影に注目すると、鏡水に向けられているように見える。
最終的に天地と鬼堂が結ばれて良かったと思ったが、天地の前では笑顔な鬼堂がバッグで突いている時にだけ真顔なことから天地の片思いで終わったのではないだろうか。
天地の精子を池に落とす(鏡水の白骨に捧げる)シーンでの鬼堂の狂気的な笑顔は「鏡水が1番穢れていると思っていた天地の精子」を与えることが目的だったのではないか。
鏡水は褒められることが生き甲斐だったのだろう、鬼堂が軽蔑していた人達と関係を持ち、褒められることが普通だったのかもしれない。しかし、褒めてくれる人が人だっただけに腐食してしまったのがとても勿体なく感じる。
ひとつ疑問が浮かぶのは居候させる時に必ず2人の人間性は調べるはずで、あの母親から生まれた子供というだけで何となく分かるはずだが、それでも鬼堂が受け入れたということだ。もしかしたら何かしらの目的があったのかもしれない。

まとまらず、すみません。短編なのに考察が止まらず、大変楽しませて頂きました。
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