このレビューはネタバレを含みます▼
『東京戦慄奇譚 vol.2』内の一作。
母親を亡くした双子の鏡水と天地は過去に母親と縁があったという征司に引き取られる。
若くして組長となった征司に恋心を抱く鏡水は自分と同じく征司に恋する天地を厭い、天地を池に突き落とす。天地を助ける征司に苛立ちを募らせた鏡水は最悪なやり方で天地を汚してしまう。
賢くて母親に愛されていたように見える鏡水は自分の体を使って得た評価だけが支えで、純真無垢に見える天地は少し知能が遅れているように見える。
征司が鏡水を消し、天地を溺愛しているけれど、二人の母親に対する感情は憎悪のようだから、消された鏡水も生かされた天地も決して幸せではないだろう。
出てくる登場人物が使用人に至るまでことごとく嫌なおかしい人物たちで、これぞホラーといった感じ。