異世界では幸せな家を
」のレビュー

異世界では幸せな家を

われもの。/金ひかる

破綻なき大団円異世界ファンタジー

ネタバレ
2025年1月19日
このレビューはネタバレを含みます▼ いや〜長いけどよく纏めたな〜。全編腑に落ちるようにできてたと思う。エスカーナの話だけでもよかったけど、光と闇魔法の性質とか更に深く広い世界へ繋がる設定や布石をきちんと打ってた。書き方の癖なのか誰の台詞かわかりにくいところは直してほしい。殺戮兵器として生きていかざるをえないシェイドの過去と現在のむごたらしさ…戦場シーンはこの作品の中で重く異質だった…殲滅させた敵軍の中で生存者を救う姿は痛ましく胸が詰まった…。タイガと出会い救われてよかった…。タイガも元の世界で愛情いっぱいな幸せな家庭で暮らしていたのに両親が亡くなった途端にあんな辛い状況になるなんて…今の日本は見えないところでのネグレクトや貧困、搾取があるからありえないとはいえないのか…。異世界召喚された純情天然強気脳筋単細胞ヤンキーが、ギルドマスターやら王子やら秘密組織的な民族やら高位貴族やらの権力者や実力者から子どもにいたるまで、出会う人片っ端からその真っ直ぐな気性で無自覚にタラシまくって。彼に救われた美形チートが人目をはばからず溺愛、牽制。美味しい物をみんなに食べさせたくて異世界の食材で試行錯誤して手料理を振る舞い胃袋掴む。王道なんだけど、そこがよくて気持ちいい。拗れもなし。キャラ多いけど味方みんなに愛着わく。BLとしてはエロシーンが少ないのかも。自分は愛あるエロは好きだけど擬音語だらけのグッチョグッチョのアヘアヘしてるだけのエロは斜め読みなので問題なし。シェイドはタイガに出会って多くの人と関わって感情の発露も見受けられ。魔物だろうと関係なくタイガへの愛情激重だけどヤンデレになることなく、タイガが好きなようしてほしいとその姿を眩しく見つめる。タイガも無知や鈍感すぎて考えが至らなかったところは変えようとしたりなるべく愛情を伝えようと努力したり。人を尊重する姿勢が全編に通底していると思う。シェイドがチートすぎたり、タイガはカワイイままだったので、闇の力が強くなってかっこよくスパダリ風になるところも見たかった気はする。夢オチでもいい。ラノベBLとしてはタイトルが地味?と思ったけど、この通りだった。『家』が作品の要。二人が家族になり次元、国、身分を超えたあの『家』でのファミリー集結感よ。フラット教授もいれてあげるのね。家にある元の世界の知識と技術と魔法が合わされば新世界できそう。新たな争いの火種になりかねないので秘匿して〜。
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