綿の国星
」のレビュー

綿の国星

大島弓子

大好きな作品です。

ネタバレ
2025年1月24日
このレビューはネタバレを含みます▼ 春の長雨の中、チビ猫は気付いた時には一人だった。お湯の沸く音がして、自分を置いていってしまったお母さんがもとの家(アパート)に連れ戻してくれたのだと思ったが、お母さんではない誰か優しい手がスポイトでミルクを飲ませてくれて……。チビ猫を家に連れ帰ってくれたのは、時夫だった。ソ連カゼで大学入試を失敗してしまい、今は予備校に通っている。口数も少なくなり、うつろな目をしていた時夫が、子猫の面倒を見ていた時は、昔のままの時夫だった。猫アレルギーがある母親は、それだけで子猫を飼うことにしたのだ。チビ猫は人間には赤ん坊から大人になるルートと、猫がある時点で変身して大人になる、という二つのルートがあると信じていた。だから人間になった時には一番に時夫にありがとうって言うね。美しい銀色の青年猫ラファエルは、チビ猫が大きくなったら飛び切りの美猫になると言うけれど……。読んでいると心が癒されるファンタジー作品ではあるけれど、甘ったるい話ばかりではなくシュールでシニカルなお話も含まれています。


いいねしたユーザ1人
レビューをシェアしよう!