このレビューはネタバレを含みます▼
親の離婚で離れ離れになっていた兄弟の再会。離れて暮らすということの重大さをあまりわかっていなかった弟が兄への想いを募らせる。その様子がとてもではないがいたたまれず涙を誘う。兄と再会した弟はすぐに兄だとわかるが、兄は背も伸びて髪を染め大人っぽくなった弟に気が付かない。香水の匂いに交じるどこかで嗅いだことのある懐かしい匂い。その匂いと下の名前でようやく目の前にいるのが弟だと気付いてもらうことができる。弟が大人っぽくなるためにした事とはいえ、兄に気付いて貰う事ができず、実はかなり傷ついたのでは?ハッピーエンドのような、そこはかとなく漂う後ろめたさと、はっきりと名前のつけにくい関係。題名そのものなのだけれども。