後悔するならご勝手に~あなたの選んだ聖女様とどうぞお幸せに~
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後悔するならご勝手に~あなたの選んだ聖女様とどうぞお幸せに~

井村なるみ/桜井ゆきな

内容はリアルで深いのに、画力不足が残念

ネタバレ
2025年1月28日
このレビューはネタバレを含みます▼ 画力不足がすごく気になったのですが、無料で読めた範囲で設定というかストーリーが気に入ったので、既刊(21話まで)は全部買って読みました。王道のシナリオと少し違うのは(それでレビューの評価が分かれるのでしょうか)、流れや設定が結構リアルなところでしょうか。まず、1)第一王子以外の周囲が感情的ではなく、淡々と理詰めで第一王子の処遇を決めていること。全てを知った王が激怒してその場で一喝、全て没収で追放、みたいな流れではありません。理性をなくして理不尽な言動を連発しているのは第一王子のみ。聖女すら、未熟で自分勝手な論理で色々やらかしていますが、割とまともな判断をしています。なので、勧善懲悪ですっきりという感じではないです。
それから、2)「お前のためだ」という文言を振りかざして、娘を自分の思うように支配しようとする父親。父親が(あくまで)主観的には悪意がなく、娘を王子に嫁がせるのが「娘の幸せのため」と心から信じてるところがリアル。いじめ役によくある、悪意に満ち溢れた両親やきょうだいなら、ざまあされて終わりですが、この父親は何が間違っていたのかすらわからないまま終わります。その救いのなさ、反省や後悔する可能性すらみえない感じが、好き嫌いの分かれるところかと。
そういうリアルさはすごく好きなのですが、やはり難点は画力。私はストーリーが面白ければ、少し輪郭が崩れているぐらいなら全く気にならないのですが、これはストーリーから気が逸れてしまうほど絵が酷い時もありました。なので、ストーリーより絵が気になってしまう方や、綺麗な絵を見るのも漫画を読む楽しみの一つと思っている方にはおすすめしません。
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