インクリング・アリス 異世界の始まりと終わりの物語
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インクリング・アリス 異世界の始まりと終わりの物語

記伊孝

前半はダークファンタジー、後半は戦記物

ネタバレ
2025年2月6日
このレビューはネタバレを含みます▼ 前半は、名作の登場人物達が、作品世界を壊そうとする怪物インクリングス(並行世界の作者達)と戦うストーリーですが、後半に進むにつれて戦記物の色合いが増していきます。
キャラクターや地名等の大半が、作品や作者の名前、元ネタが直ぐに分かる程度にアレンジされた物である為、文学が好きな人程、評価が高くなると思います。
後半は反戦色が濃くなる為、残虐な描写が多くなり、爽快感の様な物はありません。
漫画としての評価は、時代考証がしっかりしており、背景(特に艦船や列車等)にも力が入っていて、読み応えがあります。
不満な点は、敵も味方も、序盤から出ているキャラが雑な扱いで、終盤で登場した時間を戻せる少女の力(犠牲)で全て解決します。
ぶっちゃけ、地上部隊は核爆弾で全滅、序中盤でラスボス感を出しまくっていた敵は、戦う前に本物のラスボスに殺され、主人公チームもラスボス相手に全滅、何ページも出ていない少女が、自分の消滅と引き換えに時間を戻し、ラスボスの時間(ダメージ)だけ戻らない御都合主義での勝利は、かなりガッカリしました。
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