とびきり甘い政略結婚
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とびきり甘い政略結婚

宮小路やえ/八美☆わん

良いところとモヤるところと

ネタバレ
2025年2月8日
このレビューはネタバレを含みます▼ 公爵家の跡取りとなるために男のように育てられたヒロインだが、弟が生まれたため次は令嬢としての振る舞いを求められ、反発していたところ結婚話がきてヒーローと結婚し…という話です。ただヒロインは言動が男っぽいわけでもなく、強い女性という感じ。
良かったところ:
文章が読みやすくすらすら読めた。ヒロインの幼少期からの境遇が可哀想で(けれどありがちなドアマットではなく)、そこからの幸せな結婚生活にじーんときた。大切に育ててた仔馬が弟のものになったエピソードがさらっと語られて泣きそうになった。ヒロインとヒーローが同じ寂しさや苦悩を持つ者同士で、お互いをかけがえのないものとして愛し合う姿が素敵だった。
モヤるところ:
ヒロインが17歳、ヒーローが更に17歳上と年齢が倍。それで恋愛はちょっとな…と思ってしまった。ヒーローが相棒の馬を紹介するときの「とびきりの女を紹介する」という冗談は、正直冗談では済まされないというか…冗談でそんなことを言ってしまうところがマイナス。さらっとヒロインの父親も入って幸せ家族的な終わり方にモヤった。肉親の父親を憎みきれないのも分かるし断罪もおかしいのでそこまでする必要はないが、もうちょっと距離を置く感じでも良かったのではないだろうか…父親が全てを手に入れた勝利に終わって読者的にはモヤってしまった。
ということで星3。
タイトルには政略結婚とありつつほぼ恋愛結婚みたいなもので政治的なお話はありませんでした。お話としては大きな起伏はなく、ほとんどベッドシーンかヒロインとヒーローの甘い日常でしたが、結婚までのヒロインが可哀想すぎてその日常がじんわりと胸に沁みます。読者的にはモヤりもありつつ、ヒロインが幸せになって良かったと思えました。
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