このレビューはネタバレを含みます▼
コミック版から来ました。互いに単なる好意(like)以上の気持ちがあるのに、すれ違っていく二人にやきもき堪らずノベルを手に取らずにいられませんでした。
結果は、読んで良かった!ハッピーエンドに至る経過に読者も前向きになれる物語。どうせ捨てられるなら〜の王太子リュシーとアニエスとの絡みも読者ならニンマリしてしまうエピが随所に。
長年婚約を結び慕っていたフィアンセはヒロインを選ばず妹と恋人関係になっていた。この傷心のヒロインに契約結婚を持ちかけるヒーローは、王太子とは従兄弟で王家に連なる血筋の
公爵家の後継者であり、いつも自信満々で斜に構え、時に尊大にさえ見える男。だが密かにずっと、王太子姫となるアニエスを誰にも本人さえにも気づかれずに思いを寄せ続け見守ってきた情深い男でもあった。
互いに長い間の思い人とは実らなかった愛を過去に持ち結婚生活を始めるが、十分惹かれあっているのに少しずつ相手の気持ちの認識がズレがヒロインの別離への決心と「自分は選ばれない」と言う呪いのごとき思いへと至る。
対して、ヒーローはヒロインへの愛する気持ちを遠慮していたらヒロインを失いかねないと思い知るや、ここから愛する気持ちを、言葉で態度で行動で示していく。
この様が潔ぎよく、読んでいて爽快ささえ感じ、うっとりしました。
ヒーロー自身は愛する人を失う恐れを心の底に持ちながら、ヒロインには気付かれずに軟禁し、甘やかし、鳥籠の中の鳥がもはや鍵を開けても籠から出て行かないまでに愛を表します。
個人的に好きなのは、ヒロインの「自分は選ばれない」と言う呪いを解いていくヒーローの真摯な言葉と心からひざまついて愛を乞う姿ですが、ヒロインの里帰りにヒーローも一緒に付き添うのみならず、共に妻の実家で生活してしまうエピには、溺愛ぶり見せつけられるお姉様大好きな妹に同情してしまいました。