私だけ年を取っているみたいだ。 ヤングケアラーの再生日記
水谷緑
このレビューはネタバレを含みます▼
ヤングケアラーの作品ですが、登場人物の心境は誰もが共感できる内容でした。
たぶん誰でも心の中に押し込んでいるであろう孤独に触れた作品だと思います。
たとえ幸福な家庭に生まれてきた子どもであっても窮屈な思いを抱いたり、よき友人や伴侶に恵まれた人でも孤独を感じる瞬間があるはず。
そういう重い内面を受け止める方法が描かれていて、とても説得力があります。
少し展開は速いですが、あまり細かく描写するとトラウマがよみがえる読者も出てきそうなので、これくらいのスピードでちょうどいいと思います。
表紙の光景にも意味があり、それに気づいた時にはじんとしました。
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