このレビューはネタバレを含みます▼
試し読みで気になったなら、どうか、ネタバレなしで読んでほしいと思います。
以下、とりとめのない、ネタバレになるかもしれない感想です。
思春期のちぐはぐな心と身体や、自分ではどうしようもない、大人になれない現実や、そういうものが、自分と周囲を乖離させる。うまく生きられなくする。それを何とか押し隠して周りに合わせて生きていた自分と、少しのきっかけで露わになった彼らと、どこが違ったんだろう、と思ってしまった。その辛さを、二人でいることで少しずつ消化できて、明るい光を感じることができていた。彼のメッセージが心に刺さる。行ってしまった彼はどんな気持ちで聴いているだろうか。側にいることを望みながら、そうできなかった、まだ庇護される子どもである自分、もうどうにもできない自分を歯痒く思いながら、きっと、寄り添っているんだろうと思う。描かれなかった未来に涙が止まらない。