王子さまの子を孕んでしまったので、嫌われ者公子は逃げることにしました【特別版】(イラスト付き)
」のレビュー

王子さまの子を孕んでしまったので、嫌われ者公子は逃げることにしました【特別版】(イラスト付き)

成瀬かの/八千代ハル

魔法人形がめっちゃ可愛い

ネタバレ
2025年2月28日
このレビューはネタバレを含みます▼ オメガ、アルファ、ベータの判別をする方法が無く、区別もし難いのに、オメガ差別だけは明確にある国の公爵令息(Ω)と第二王子(α)の物語。
公子は作品中、殆どを魔法人形に意識を移して行動したり、外部の人との接触は人形の姿でしている。その姿がとても可愛い描写で、癒されるし楽しい。
猫耳と尻尾に舌足らずなしゃべり方、それでいて、本体の公子に代わって働き者で子守も出来る、有能でめっちゃ可愛いパーフェクトな魔法人形。
オメガが1人で子育てする現実の厳しさが公子を追 い詰めていく様子が切ない。
そんな公子を明るく支えてくれる逃亡先の島国のご婦人達が、優しくて頼もしくてとても励まされる存在感。
第二王子の思い込みが結構酷い。基本は穏やかな人の様だけど、王族としての強引さでグイグイ来る割りに、公子の想い人を盛大に勘違いして、想像で公子を責める辺りが一方的。空回る様子は滑稽である。
その後、第二王子自身が公子の子供の父親だと判明すると、 人目を憚らず怒濤の勢いで口説き溺愛まっしぐら、公子と子供の信用を得ようと頑張るところはまっすぐで強い気持ちを感じられて、ニヨニヨする。大切な自分のオメガのために国の慣習を変えようとする愛情の強さが、物語の先の未来に明るい展望がみえて良い読後感だった。
ただ、第二王子と結ばれた後、本体でのいちゃいちゃをもっと読みたかった。
いいねしたユーザ1人
レビューをシェアしよう!