君に降る言の葉は【単行本版】【シーモア限定特典付き】
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君に降る言の葉は【単行本版】【シーモア限定特典付き】

イズミハルカ

美しい透明感溢れる作画と言の葉の感動作。

ネタバレ
2025年2月28日
このレビューはネタバレを含みます▼ イズミハルカ先生の作品は『人魚の恋に触れたなら』に続き私に取っては2作品目となります。
この作品は見逃していてSNSで紹介されていて知りました。このまま読み逃していたらと思うとゾッとします。

大好きな作品で何度読み返してもまた新たな感動が沸き起こり、涙々で読むことになる作品です。

表紙と同じく透明感溢れる美しい作画と紡ぎ出されるの言の葉の一つひとつがこころに優しく響き、語りかけて来るような感動を覚えます。
作画が透明感溢れる美しさなのは見ての通りなのですが、言葉にも同じように透明感があり、美しくどこまでも透明で澄み切っているように感じました。

私も日向と同じで高校生の頃は漫画よりも小説が好きでよく読んでいました。
小説家が出てくる漫画は沢山ありますが、ここまで小説が軸となる作品は私は初めてでわくわくしながら惹き込まれるように読み進めました。
漫画と小説の良さを両方楽しめるような側面も持つ作品だと思います。

日向と雪人のキャラ設定もとても好みです。
二人の繊細な心の機微が痛い程伝わって来る描き方も素晴らしいです。

行き場のなかった時を小説に救われた日向と雪人。偶然の出会いも二人に取っては必然だったのかも知れません。

雪人からのある提案を呑んだ日向。
日向からのSOSに駆けつけた雪人と遊ぶ雪が積もった誰もいない校庭でのシーン。そこで初めて交わしたキスの美しさと言ったら…もう…もう…感涙です。

その後のすれ違いから日向の前から姿を消してしまった雪人。
月日は流れ再び電車で再会する二人。
雪人が新たに書いた小説は日向へのラブレターだった…で、またまた感涙です。
これからも二人はずっと一緒に人生を歩むのだなと安心しました。

私に取ってこの作品は忘れ去られていた青春の扉が開かれたような、大切に大切にこころの奥にしまい込んでいたものにまた巡り逢えたような…そんな気持ちになれた作品でもあります。
そんな気持ちになれる作品に出逢えた喜びは掛け替えのないものなのです。

この前、先生のSNSにその後の二人のバレンタインデー漫画が投稿されました。ページ数もたっぷりあり、内容も素晴らしくまた感動の涙を流しました。
この作品が、日向と雪人が大好きなので、出来ることなら二人のその後をまた読みたいと願っています。
そして、先生の未読の作品をこれから大事に読んで行きたいと思います。
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